横須賀艦船めぐり 【おぢ散歩】

今回のおぢ散歩は、横須賀です。
東京営業所:若林の希望により、横須賀に赴くことになりました。某艦船ゲームに影響された若林の希望は、横須賀で戦艦三笠や戦艦陸奥の主砲砲身などを愛でたい!、というもの。

海上自衛隊とアメリカ海軍の基地が置かれる横須賀で、艦船をたっぷりと愛でるおぢ散歩を楽しんできました。
たっぷりと艦船を楽しんだ一同の珍道中、ではお楽しみください!!

※記事中の画像はすべてクリックで拡大します。

「軍港」横須賀市の歴史

JR横須賀駅からすぐそば、ヴェルニー公園から海を眺めると、これでもかとばかりに米軍と自衛隊の艦船(※潜水艦を含む)が停泊しています。初めて見ると、ちょっと驚きの風景が横須賀にはあります。
JR横須賀駅からすぐそば、ヴェルニー公園から海を眺めると、これでもかとばかりに米軍と自衛隊の艦船(※潜水艦を含む)が停泊しています。初めて見ると、ちょっと驚きの風景が横須賀にはあります。

横須賀市における「軍港の街」の歴史は、同市浦賀に黒船と共にペリーが来航したことから始まりました。
ご存知のとおり、黒船来航によって、200年超におよぶ長き鎖国を解きました。開国によって、欧米各国ら列強の力を知った徳川幕府は、早急に軍備、特に海軍力を整備する必要性を考え始めました。
軍艦を造るために設けられた、日本初となる近代的な造船所こそが、横須賀に建築された横須賀製鉄所だったのです。

横須賀製鉄所と富岡製糸場のつながり

ヴェルニー記念館内に展示されている、横須賀製鉄所内で使用された巨大な鍛造機械「スチームハンマー」

横須賀製鉄所は、富岡製糸場とも深い縁があります。
当社関東工場のある群馬県が誇る、世界文化遺産の富岡製糸場については、以前本ブログでもレポートしています。

横須賀製鉄所は、フランスと、フランス人の造船技師であるフランソワ・レオン・ヴェルニーの協力の元で完成、そして運用されました。

なぜフランスが日本の造船所建設に協力したのか?
その背景には、「蚕(かいこ)」の存在がありました。
当時、フランス国内では、製糸産業を支える蚕に伝染病が発生したため、製糸産業は壊滅的な状況にありました。フランスは積極的に横須賀製鉄所の建設に協力する見返りとして、伝染病に強い日本の蚕が求めたわけです。

ちなみに、富岡製糸場の設計を行ったのは、横須賀製鉄所にいたエドモン・オーギュスト・バスチャンです。バスチャンは、依頼を受けてからわずか2ヶ月足らずで富岡製糸場の設計を完成させます。これは、横須賀製鉄所の建築で得た、木骨レンガ造のノウハウを活用したためと伝えられています。

たくさんの艦船が見れる! ヴェルニー公園

さて、いよいよおぢ散歩レポートをお届けしましょう!
今回、おぢ散歩に参加した面々をご紹介します。

右から東京営業所所長:太田、東京営業所所属で今回企画の言い出しっぺの若林、そしてライターの妻である みおです。
右から東京営業所所長:太田、東京営業所所属で今回企画の言い出しっぺの若林、そしてライターの妻である みおです。

言い出しっぺの若林に加え、若林の暴走を引き止めるべく上司の太田が参加。
さらに、「おじさんだけでは絵面が寂しい...」として投入されたライターさかたの妻:みおが紅一点として参加します。

一行が出発点に選んだのは、JR横須賀駅すぐそばのヴェルニー公園です。
ここでは、若林お目当ての戦艦陸奥の主砲砲身が展示されていますが。

それよりも、訪問者の目を引くのがこれ!

最近話題の「いずも」。どう見ても空母...だと思っていましたが...(その理由は後ほど)
最近話題の「いずも」。どう見ても空母...だと思っていましたが...(その理由は後ほど)

ヴェルニー公園の左斜め前には、最近話題を集める「いずも」が停泊しています。
戦闘機F35を艦載できるように、改造するとかしないとか、「空母」だとか「多用途運用母艦」だとか、いろいろと話題になっていますが、見た目はまるで空母ですね。

しかし、私どもは本物の空母を観ることになります。
それは後ほどのお楽しみとして...

対岸にあるアメリカ海軍横須賀基地には、これでもかとばかりにイージス艦やら潜水艦が並びます。
いやぁ、潜水艦やらイージス艦って、こんなに簡単にお目にかかることができるものなんですね。
その非日常感な日常(←意味不明 笑)にびっくりです。

「いずも」にテンションがあがる太田。
「いずも」にテンションがあがる太田。

ところで若林ですが、彼の興味は旧日本軍の艦船に限られているので、現代の最新艦に関する知識は乏しかったようです。

三笠公園と戦艦三笠

一同は、横須賀市内を周回する、三笠巡回バスに乗って、三笠公園に移動します。
そう、ここには若林のもうひとつのお目当て、戦艦三笠があるのです。

戦艦三笠とは

現在は、日露戦争を伝える博物館として公開されている戦艦三笠。
現在は、日露戦争を伝える博物館として公開されている戦艦三笠。

戦艦三笠は、日露戦争(1904年~1905年)の際、東郷平八郎率いる連合艦隊の旗艦として活躍した戦艦です。大国ロシア有利と見られていたこの戦争において、日本軍の連合艦隊がロシアの誇るバルチック艦隊を破り、勝利を収めたことで、結果日露戦争は終結を迎えました。

戦艦三笠は、大正15年(1926年)記念館として保存されることが決定し、今に至ります。
現在では、日露戦争と当時の状況を伝える博物館として、一般に公開されています。
(観覧料 一般:600円/高校生300円、小中学生以下は無料)

戦艦三笠へ潜入!

若林の先導のもと、一行はいよいよ戦艦三笠へ潜入します!

戦艦三笠内に展示されている、日露戦争当時における三笠の模型。
戦艦三笠内に展示されている、日露戦争当時における三笠の模型。

全長:122m、幅:23m、排水量:15140tという大きさ。
当時は連合艦隊の旗艦になるほどの戦艦であり、最新鋭だったのでしょうが。今見ると、「なんかちっちゃいな~」と思ってしまうのは致し方ありませんね。

甲板上では、主砲や艦橋など、三笠の艤装を見学できます。
船内に入ると、日露戦争当時を伝える資料、バルティック艦隊を破った日本海海戦の詳細などが展示されています。

連合艦隊の司令長官、東郷平八郎は、自ら砲弾飛び交う艦橋から艦隊全体の指揮を取ったとされます。

横須賀に来たらこれ!! ネイビーバーガーと海軍カレー

横須賀グルメと言えば、やはりネイビーバーガーと海軍カレーでしょう。
一同はお昼を求めて、どぶ板通りへ向かいます。

旧日本海軍軍港として反映した当時、ここにはドブ川が流れていたそうですが、歩行者やクルマの通行のため、厚い鉄板を敷いたそうです。どぶ板通りとは、そこから発生した名前です。
スカジャン発生の地としても知られる知られるどぶ板通り、ここに来たらやっぱりネイビーバーガーと海軍カレーでしょう!

一行も、『ヨコスカシェル』という店に入り、横須賀名物で昼食です。

軍艦で提供されるカレーを再現した海軍カレーは、辛味もほどほど、優しい味です。
ネイビーバーガーは、「肉って感じ!」(太田&みお)と食べた本人たちが言うとおり、粗めにひいた肉の美味しさを味わうことができます。

いよいよ、目玉の『YOKOSUKA軍港めぐり』へ

横須賀にはたくさんの艦船が停泊していますが、原則としてそれらの艦船を間近に眺めることはできません。
艦船は、アメリカ海軍横須賀基地と海上自衛隊基地に停泊しており、基地内に立ち入ることはできないからです。

ところが!
海上からであれば、間近から横須賀の海で体を休める巨大な艦船たちを愛でることができるんですね。
普段は絶対に観ることができない、アメリカ海軍と海上自衛隊の艦船をたっぷりと眺めることができる『YOKOSUKA軍港めぐり』、いよいよ乗船です。

YOKOSUKA軍港めぐり』は、イオン横須賀店西側にある汐入ターミナルから出港します。

当日は、雨が降り出す悪条件でしたが、多くの人が船を待ちます。
乗船してから分かったことですが、当日は案内人すら興奮する大量の艦船が停泊しておりました。大小さまざま、30隻以上の艦船と出会えることは、珍しいんだとか。

では、当日私どもが出会った艦船の一部をご紹介しましょう!

三並びの潜水艦。
三並びの潜水艦。

遊覧船に乗船、正面に停泊していたのは、3隻の潜水艦です。
潜水艦って、色が保護色なのでちょっと見には気が付きにくいため、遊覧船が近づくまで気が付かなかった人もいたようです。

ちなみに、今回は5隻の潜水艦を見ることができました。

なにかと話題の「いずも」
なにかと話題の「いずも」

続いて左側には、「いずも」が見えてきます。
乗員500名、自衛隊最大の艦船である「いずも」を、今度は海側から愛でます。意外とすっきりとしたシェイプです。

次々と左右に現れる艦船。
TVでしか見たことのないイージス艦がたくさん停泊しています。興奮する乗船客の目線の先に現れたのは...

一番奥に見える、ひときわ大きい艦が分かりますか。

そう、原子力空母「ロナルド・レーガン」です。
本物の空母ですよ!

全長333m、6000名近い乗員を必要とする「ロナルド・レーガン」を見ると、「いずも」は小さいです。大きさが違いすぎて、「いずも」を改造して艦載機を載せたところでホントに役に立つのか、素人目には不安を感じてしまうくらい、本物の空母は大きかったです。

「ロナルド・レーガン」は陸から直接見ることができない場所に停泊しています。つまり遊覧船に乗車しないと見えない場所です。
今回、多くの艦船を見ることができたのもの、「ロナルド・レーガン」が停泊していたからだそうです。攻撃能力に特化した空母は、反面防御力に欠けるため、防御のために数隻の駆逐艦や巡洋艦と行動をともにするんだとか。そのため、横須賀を母港とする「ロナルド・レーガン」が寄港すると、他の艦船もたくさん見ることができるそうです。

 

遊覧船は、アメリカ海軍横須賀基地の沖から吾妻島の外海側を回って海上自衛隊司令部の方に向かいます。
ちなみに、吾妻島は岬に水路を切り拓き造った人口島です。米軍と自衛隊が共同管理しているそうですが、その詳細な用途は明らかにされていないそうです。

では、ここからは海上自衛隊の艦船をまとめてお届けしましょう。

護衛艦「あさぎり」。1987年に進水した船なので、そろそろ引退かもしれません。

護衛艦「あさぎり」。1987年に進水した船なので、そろそろ引退かもしれません。

 

海洋観測船「にちなん」。潜水艦の活動のため、海洋地形や水流などの観測をミッションとしています。

海洋観測船「にちなん」。潜水艦の活動のため、海洋地形や水流などの観測をミッションとしています。

 

潜水艦救難母艦「ちよだ」。文字通り、航行不可能になった潜水艦を救難するのがミッション。そのため、深海救難艇(DSRV)を搭載しています。

潜水艦救難母艦「ちよだ」(AS-404)。文字通り、航行不可能になった潜水艦を救難するのがミッション。そのため、深海救難艇(DSRV)と遠隔操作式の無人探査機(DSRS)を搭載しています。
2018年3月20日に就役したばかりの船です。

 

【写真上】
一番左が、掃海艇「はつしま」、その手前に停泊するのが、掃海艇「ひらど」。共に、機雷の排除をミッションとする船。「はつしま」については、下写真もご覧ください。
少し小ぶりの「はつしま」の船体はFRP(繊維強化プラスティック)製ですが、これは磁気機雷の掃海に対応するため。金属製の船は磁気機雷に反応(爆発)するためのFRPで船体を造っているそうです。

写真上ではもっとも右手、一番下の写真では「ひらど」(305)の奥にあるのは、先に挙げた「ちよだ」(AS-404)の前任艦である、「ちよだ」(AS-505)です。2018年3月20日に退役したため、番号や船名が消されています。
AS-404と違い、遠隔操作式の無人探査機(DSRS)は搭載していません。

 

【写真上】
海洋観測船「にちなん」の奥にあるのが、掃海母艦「うらが」です。

【写真下】
船体後部にあるハッチ内とデッキ上に二機のヘリコプターを艦載可能です。

 

遊覧船は、吾妻島の人口運河を抜け、汐入ターミナル方面へ戻って行きます。

【写真上】
運河の向こう側にも艦船が見えます。

【写真下】
吾妻島にある日米共同施設。アメリカ国旗が半旗になっていますが、これは2018年11月30日に他界されたジョージ・H・W・ブッシュ元大統領に対する追悼を表しています。

 

【写真上】
輸送艦「くにさき」。

【写真下】
後部には巨大なハッチがあります。よく見ると、上陸用ホバークラフトの巨大なプロペラが見えます。

 

【写真上】
海上自衛隊の護衛艦が並びます。実は7隻あります。分かりますか?

【写真下】
左(111)が「おおなみ」、右(110)が「たかなみ」、ともに護衛艦で同型艦です。ちなみに姉妹艦として、「まきなみ」(DD-112)、「さざなみ」(DD-113)、「すずなみ」(DD-114)があります。
全部、「**なみ」なんですね。

ちょっとしたウンチクなのですが。
「姉妹艦」と書きましたが、船の場合「兄弟艦」とは言いません。世界的に船は女性に例えられます。そのため、「兄弟艦」とは呼ばないそうです。

こういった豆知識も披露してくれながら、遊覧船は進んでいきます。

寒い雨が降る、間違っても快適とは言えない約45分の遊覧でしたが、次から次へと現れる艦船に圧倒され、あっという間のひとときでした。

ちなみに若林、『YOKOSUKA軍港めぐり』の記念に、どうやっても使いにくいであろう潜水艦型ボールペンを購入しています。
お打ち合わせの際、若林がこの使いにくそうなボールペンを使っていたら、いじってあげてくださいね!

 

お土産の潜水艦ボールペンを手にご満悦の若林。いい笑顔です。
お土産の潜水艦ボールペンを手にご満悦の若林。いい笑顔です。

さて、若林の発案で実施した横須賀の街歩き企画はいかがだったでしょうか。
オタクな(...笑)若林と違い、横須賀の魅力に太田もみおも、心から楽しんだようです。

街の魅力って、訪れてみないと分からないものですね。
機会がありましたら、ぜひ皆さまも横浜艦船めぐり、楽しんでみてください。

 

さて次のおぢ散歩はどこに出現するんでしょう??
皆さま、お楽しみに!

フォトギャラリー

本文中に掲載しなかった写真をお届けしましょう!


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