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東京営業所長の太田が、小田原から東京までの100kmを徒歩で踏破するイベント「第5回東京エクストリームウォーク100」に参戦しました。
さて、太田は無事、100kmを完歩できたのでしょうか??
太田本人による参戦レポートをお届けしましょう!
※画像はすべてクリックで拡大します。
きっかけはたしか...、今年7月に目にしたWeb広告でした。
「100km歩くのか...、なんとかなるんじゃないか?」と、衝動的に参加申し込みしたことが、すべての始まりでした。
歩くトレーニングをすれば完歩できるだろうと思い、毎週末の休日にトレーニングを始めましたが、用事もあるため長距離を歩くことは時間の関係上なかなか難しいものです。30kmを歩く場合も、6時間ほど時間がとられますからね。
そのため、隔週20km以上のウォーキングを原則としたものの、10月は本当に忙しく、一切何もできないまま、大会1週間前の11月1週目にトレーニングをして、大会に臨みました。
初参加のため要領が分からず、スタート地点近くの安価なビジネスホテルは確保できなかったので、少し離れた伊勢原のビジネスホテルに前泊。当日はホテルを6:30に出発、会場入りをしました。
スタート地点となる小田原城公園には7:40に到着しました。会場入りを目指す一団とともに小田原駅から移動します。出発時間が早いグループに設定された人々は、既にスタートしている様子でした。
エントリーおよび景品の受け取りを済ませましたが、スタートまでまだ時間があります。朝食と準備を終えた後は公園内を散策して回りました。その間、ゲストのパンサー尾形さんがスタート地点で声をかけていましたが、私がスタートするころには既にいらっしゃらなかったのは残念です。
たっぷりと散策してしまったので、スタート前に既に4,000歩近く歩いています。こんなところで歩数を稼いで大丈夫なのでしょうか?
いよいよスタートです。
止まらないわくわく感と、眠気に勝って歩ききることができるのかという不安感が、心のなかでせめぎ合っています。
スタート直後に観光されていると思われる人から声をかけられます。「これから100km歩くんですよ!」と伝えると、定番のリアクションですが、かなり驚かれていました。
まだまだ大きな集団で移動し続けるのですが、みなさんペースが速い速い。
私も調子に乗って、同じように11分/km前後で歩き続けていました。
第一CP(チェックポイント)近くの湘南平塚ビーチパークは、海に来たことを実感できる施設で、雰囲気がありました。
カレーパン、水、みかんをいただきました。ここで食べた弦斎カレーパンは、カレーパンの元祖なんだとか。カレーパン、おいしかったなぁ...
ここでは、15分ほど休憩してから出発します。
そのまま海岸線沿い(サザンビーチちがさき→片瀬西浜鵠沼海水浴場)を進み、嫌というほど海風を受けながら歩き続けます。後から考えれば、じわりじわりと体力を奪われているはずなのですが、景色にごまかされていて気が付いていませんでした。
おにぎり、お菓子、ジュースをいただきました。
江の島を眺めながら、こちらでは20分程度休憩して出発。
ここからいよいよ街中を歩いていきます。歩き出してほどなく日没を迎えました。
街中だと、これといった写真撮影スポットが目に留まらず、ただただ歩くという感じになっていきます。
途中、寅さんの格好に扮した参加者がいて記念撮影します。ジャケットとアタッシュケースを持ちながらの参加に、「選択を誤った!」と冗談交じりに話しています。少し笑いもあって、ひとり参加の私には気持ちをつなぎとめる大事なひと時でした。
いよいよ、ここから試練が始まります。
練習では40kmまで歩いた経験があります。徐々に距離を伸ばしたこともあり、疲れ以外は特段問題ないと確認していたはずなのですが。
異変が起きたのは、フルマラソンと同じ距離である43km付近からです。左足付け根の外側に痛みを感じるようになり、準備していたトレッキングポールを使っての歩行に切り替えたものの、初めて使うので使い方がよく分からないまま歩き続け、ペースダウンしてしまいます。
「ドロップアウト」…、この言葉が頭をよぎるようになりました。
なぜなら、足を引きずらないと歩けないからです。それでも、気持ちを切らさないよう、まずは第三CPを目指して、そこでどうするか判断することとしました。
菓子パン、ソーセージ、飲み物をいただきました。
足の付け根の痛みが継続する中、腰を痛める不安もあったので、トイレで痛みのある部分に湿布を貼りまくり、これ以上ひどくならないことを祈りつつ、結局スタートする決断をしました。
しかし、残り半分、この痛みの中歩ききれるかどうか、とても不安でした。
ここでは40分ほど休憩しましたが、汗をかいたまま休んでいたので、出発するころにはすっかり体が冷えていました。
ここから保土ケ谷駅付近を通り、横浜港に抜けるコースで、アップダウンがかなりきつい区間です。休憩する回数も増えてきました。横浜港の夜景を見たいという一心で何とか次のCPを目指すことができました。
ラーメン、バームクーヘン、チョコ、飲み物をいただきましたが、痛みがひどく、食欲が無かったので、ラーメンは持ち帰りました。
足の付け根の痛みは継続していますが、ひどくはなっていません。両足にはマメができ始めたので、絆創膏で保護します。さらに腰まで痛くなってきました。
「貼ってあるシップで持ちこたえてくれ~!」と祈るような気持ちです。
こんな状況でも、ゆっくりならもう少し歩けそうと思えたのは、応援メッセージのおかげです。CP到着のたびにSNSに投稿をアップしていたのですが、その度に届く応援メッセージに励まされました。感謝しています。
ひとり参加者にとって、SNSは唯一のコミュニケーションツールですね。イベント参加中は、とても返信する余裕はありませんでしたが。
ここでは20分程休憩しました。
第四CPと第五CPは距離が比較的短く、11kmでしたので、営業車で走っていたときの道を思い返しつつ、痛みに堪えながら、一歩ずつ歩みを進めていきました。
チョコ、飲み物、スープをいただきました。欲しい人はラーメンもありましたが、今回いただくのは辞退しました。
肩から背中にかけてこわばりが酷くなりましたが、足の痛みに比べれば我慢できるレベルです。満身創痍状態に突入ですね。
こんな夜中でもSNSに投稿後、すぐに応援メッセージが入ったことには驚きました。これだから頑張れます!
ここでは、25分ほど休憩しました。
3:25、いよいよ多摩川を越えて東京都へ入ります。
見慣れた景色を横目に、9kmという比較的距離の短い第六CPを目指します。
この時は「ドロップアウト」する気持ちが一番強かったです。
だって全身痛くて、足の踏ん張りも利かず、ストレッチのためにガードレールに足をかけようとしても、手で足を持ち上げないとかけられないという、かなり情けない状態になっていましたから。
今回も次のCPまでたどり着いてから判断しようと思い、何とか最終CPまでたどり着きました
飲み物、せんべい、チョコレート、ようかんをいただきました。
なんとここでは鍼治療を無償で受けられるので、すぐに申し込みます。待ち時間と治療時間はかかりますが、引き換えに元気が取り戻せればと思ったからです。
痛いところすべてを針治療できるわけではないのですが、腰と両足付け根に鍼を打っていただきました。さぁ、これでゴールまで残り14km、歩ききれるか?
ここで小一時間ほど時間を使ってしまい、スタートは6:10になりました。空が明るくなってきました。
品川、新橋を横切っていくのですが、休憩回数が一気に増え、1~2kmごとに休憩をとるようになりました。とにかく足腰が痛いのです。多くの方に抜かれましたが、とにかく完歩することだけを目指してトボトボでも歩き続けました。
汐留地区を抜けると、いよいよ最後の直線です。残り約3km、しかしさらなる地獄が待ち構えていました。
橋が3つあるのですが、どれも上り下りがあるので橋を渡りきれず、途中で休憩する始末です。たった3kmなのに、1時間もかかってしまいました。
私よりお年を召した方が休憩されていたので、「大丈夫ですか?、あと少し頑張りましょう」とお声がけしましたが、結果ゴール前で抜かれてしまいました(笑)。
結果、25時間11分で100kmを完歩しました。
26時間以内のゴールを目指すカテゴリーでしたので、規定範囲内でゴールできたということになります。
自分でも忍耐力があるなぁと感心しました。
ゴール後なのに、トレッキングポールを使って歩くのは不自然なので収納しましたが、完走証と完走賞をいただくために移動する際には、完全に足を引きずり、歩幅もかなり小さいありさまです。なんとも情けない姿になり果てました。
泉天空の湯というスーパー銭湯のの優待利用券があったので入るつもりでいたのですが、体が痛すぎて、自力で歩行するのがかなり困難と判断し、そのまま帰ることにしました。
「体力がないのにどうして完歩できたの?」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、それは昭和世代の私、「気合」「根性」以外の何物でもないですね(自分に対してはこの言葉は使いますが、他人に対してはもう使わず死語としています)。
スマホの万歩計は、1日目90,000歩、2日目48,000歩の合計138,000歩を示していました。
今回主催者の発表では完歩率 75.9%でした。4人にひとりはドロップアウトする、かなり過酷な大会ということがお判りでしょうか。
ちなみに次回は2023年6月2日(土)~3日(日)に開催される予定とのことです。ご興味のある方は参加を検討されてみてはいかがでしょうか。
ちなみに大阪も同じ主催者の大会もあります。
なおこの記事は、ゴール終了翌日に作成しています。現時点では「次回参加します!」という心境には、とてもならないことを付け加えておきます。
「あれ!、最初に眠気との戦いになるようなコメントがあったのに...?」と思った人もいらっしゃると思います。私の場合、痛みとの戦いで眠気はまったくなかったです。他の参加者たちの話に耳を傾けると、眠いと話していたり、実際寝ている方も多数見られました。つまり痛みは眠気に勝るということですね。
帰りの電車は着席して帰ることができたのですが、座っていると痛くないのでスマホをいじり始めた直後に寝落ちするという、かなり重度な眠気に襲われていました。
まともに歩けない私を気遣って、嫁が駅まで迎えに来てくれました。
そのまま全国旅行支援の「いざ、神奈川」を利用するために寿司店へ行き、持ち帰り寿司を購入してから、帰宅しました。
ビールを飲みながら寿司を食べ、お風呂に入ったのですが、16:00に就寝、翌朝5:00に起床し、まともに歩けないため、早めに家を出発して出勤しました。
「使うかもしれない」と持参したものの、結局使わなかったものが、大きな負担となりました。初めての参加なのでやむを得なかったのでしょうが、もし次がある場合には活かしたいです。
結局、骨格筋が少ないので、体が耐えきれなかったのだと思います。筋肉ムキムキでなくても普段からコツコツ鍛えることが重要なのだなと感じました。
フルマラソンなどの激しい運動を行った後、血尿が出るケースがあるそうですね。どうやら私も、第三CPから血尿が出ていたようです。
てっきり脱水気味で尿が黄色になっているのだと思っていたのですが、朝になって明るいところで見たら赤褐色でした。翌日も同様の症状だったので、夜に病院へ行くようにしたのですが、人が多すぎて受付終了。ただ夕方には普通の状態に戻ったので、とりあえずほったらかしです。
靴下が汗で蒸れて、ひどいあせもが足に発生してしまいました。現在クリーム塗布して治療中です。CP毎に足をしっかりと拭いてあげるべきでした。なぜか、足の指がしもやけだらけになりました。
振り返ってみると、お金(参加料)を払って参加しても、得るものよりデメリットが多かったかも。次の参加に関しては、かなり可能性は低いかなと思っています。
ただ、一緒に行ける(無言にも耐えられる)仲間がいると気変わりするかもしれませんね。