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愛知県の北西に位置する一宮市は、喫茶店・カフェにおいて朝食サービスを提供する「モーニング」発祥の地とされます。
一宮市におけるモーニングの歴史をたどると、そこには高度経済成長とその衰退、地域振興などの世相が見えてきます。
「一宮モーニング」の歴史とともに、株式会社和泉の伊貝がオススメするモーニングの名店をご紹介しましょう。
一宮市におけるモーニング文化の起源は、1950年代後半に最盛期を迎えたこの地域の基幹産業である繊維産業と分かち難く結びついています。
当時は、織機が「ガチャンと一回動けば万の金が儲かる」と言われたほどの好景気から、「ガチャマン景気」として知られています。
ただし昼夜を問わず稼働する織機の音はあまりに大きく、工場内での商談はとてもできなかったそうです。
そこで、繊維業の経営者や取引先の人たちは、近隣の喫茶店で商談を行うようになりました。
事実上、当時の一宮市における喫茶店は、繊維産業を支える応接室や会議室としての役割を担っていたのです。
この現象こそが、モーニングが生まれるための土壌を形成したと言われており、もっとも早い記録では、1956年(昭和31年)には既にモーニングが提供されていたそうです。
毎日のように来店してくれる常連客に対し、喫茶店のマスターたちが感謝の気持ちを込めて、ゆで卵やピーナッツを付けたのが一宮モーニングの始まりと言われています。
ただしこれはお客さんを呼び込むための戦略ではなく、純粋なおもてなしの心から生まれたものでした。
1970年代のオイルショック以降、繊維産業は衰退していきます。
ところが、一宮モーニングの文化は廃れませんでした。喫茶店の役割は商談の場から、地域の人々が集う社交場へと変化していったのです。
特に高齢者の方々にとって、喫茶店は家でも職場でもない「第三の場所(サードプレイス)」として、日々の生活に欠かせない存在となりました。常連客同士や店主との会話を楽しみ、社会とのつながりを保つ重要な役割を、喫茶店が担ったのです。
一宮における喫茶店文化のユニークさは、以下のようなお客さまとお店の深い関係性を生みました。
一宮では、このモーニング文化を地域ブランドとしてPRする「一宮モーニングプロジェクト」を2007年に開始しました。最初は一宮商工会議所が中心でしたが、2009年には「一宮モーニング推進委員会(後に協議会)」が設立され、活動が本格化しました。
一宮モーニングプロジェクトでは、「一宮モーニング3か条」を策定しています。
このような一宮モーニングを形式知化する取り組み以外にも、以下のようなプロモーション活動も行っているそうです。
こうした活動の一環として、2010年、一宮商工会議所は「一宮モーニング」を地域団体商標として登録しました。
地域団体商標とは、地域の特産品やサービスの名前を、地域のブランドとして法的に保護する制度のことです。
「一宮モーニング」という名称は、「夕張メロン」や「博多ラーメン」と同様に法的に保護され、ブランドとしての価値が公式に認められました。
さらに2016年には、モーニング文化を活用した地域活性化の取り組みが評価され、経済産業省特許庁が主催する知財功労賞において、特許庁長官奨励賞を受賞しました。これは、知的財産をうまく活用して地域振興に貢献した優良事例として認められた証です。
これらの公式な評価は、一宮モーニングが単なる地域の習慣から、国に認められた文化ブランドへと成長したことを示しています。
この店のウリは、何を差し置いても10cm角のサイコロ食パンモーニング!
アツアツ焼き立てを提供してくれるので、もちもちふわふわ感がありボリュームは大満足です。
バターとメープルシロップをかけて、芳醇な香りを楽しめます。
ポテトサラダ、スープ、カットフルーツとアイスコーヒーのセットがなんと550円(取材時)。
チケット制度もありますから、さらにお得に食事を楽しめます。
土日祝日の朝は、待ち時間が60分~90分を超えることもあるため、36台駐車可能な駐車場の社内で待機する家族やカップルもいます。
また、愛知県内のTV局が取り上げる影響もあり、他県ナンバーのお客様も多く見受けられます。
伊貝も2025年5月18日(日)8時に同店を訪問したそうですが、既に21組待ち。入店できたのは、なんと9時40分だったそうです。
※以下の店舗写真は、クリックで拡大します
※店舗を訪問する際には、必ずお店のWebサイトにて、営業時間や店休日を確認してくださいね
https://cafecroce.com/shop/croce/