【お客様導入事例】DNP田村プラスチック様 自動車サイドバイザー梱包用エアセルマット

 自動車用サイドバイザーは、自動車のドレスアップに効果的なばかりではなく、ドライバーなどにとって、安全性や快適性を高める装備です。

 DNP田村プラスチック様は、自動車用サイドバイザー、オートバイのスクリーン(風防)を中心に各種プラスチック成形製品を製造/販売しているメーカーです。自動車用サイドバイザーに関しては、国内すべての自動車メーカーに納品実績があり、自動車用サイドバイザーのリーディングカンパニーです。

 サイドバイザーを大切に守るための梱包緩衝材として役目は当然として、DNP田村プラスチック様の作業効率改善における一助を担ってきた、エアセルマット導入事例をご紹介しましょう。

一般的な乗用車の場合、前後窓+左右の計4種のサイドバイザーが、1車種に設定されている。
一般的な乗用車の場合、前後窓+左右の計4種のサイドバイザーが、1車種に設定されている。

エアセルマットへ切り替えたきっかけ

お話を伺った、調達部調達グループ 主任:井上純一様
お話を伺った、調達部調達グループ 主任:井上純一様

 気泡緩衝材エアセルマットを利用する前、DNP田村プラスチック様では、ポリ袋やダンボールで、自動車用サイドバイザーを梱包していたそうです。
 サイドバイザーは、横方向からの圧力には強いですが、先端部分に力が加わると欠けやすいという性質を持ちます。そのため、サイドバイザーを入れたポリ袋の両端を折り返すことで、欠けやすい先端部分を保護していました。

 サイドバイザーの梱包緩衝材を、気泡緩衝材エアセルマットに切り替えたきっかけになったのは、お客様からの要望でした。当時、塗装を施したサイドバイザーが登場し始めたことにより、より高い緩衝性能を備えた梱包方法が必要になってきたのです。

エアセルマットを利用するメリット

「お客様のもとまで、サイドバイザーなどの製品を傷や割れ、欠けなどの破損がない状態で納品することは、メーカーである私どもとしては当然のことであり、とても大切なことです。
 エアセルマットは、そのクッション性能により、製品を破損させにくくしてくれるので、とても重宝しています」

 DNP田村プラスチック 調達部調達グループ 主任の井上純一様は、エアセルマットを、このようにご評価してくださいました。

「『エアセルマットだけで、サイドバイザーの梱包ができる』、つまり単一の梱包材でサイドバイザーの梱包が完結できることも、エアセルマットを利用するメリットのひとつです」

 サイドバイザーに限ったことではありませんが、製品に付帯する梱包材は、製品を買ってくれたお客様の側で基本的に廃棄されることになります。その際、製品が複数の異なる素材で梱包されていると、廃棄するための分別作業が手間となります。
 サイドバイザーを、エアセルマットだけで梱包できることで、製品を買ってくれたお客様の分別作業も楽になるわけです。

梱包作業の効率化を実現するために

サイドバイザーは、エアセル製袋品に入れた上で、中央付近を胴巻きしている。さらに、両端には端部保護袋を被せ、製品を大切に守っている。
サイドバイザーは、エアセル製袋品に入れた上で、中央付近を胴巻きしている。さらに、両端には端部保護袋を被せ、製品を大切に守っている。

 実は、DNP田村プラスチック様に納品しているエアセルマットは、同社向けに調合した、特別なエアセルマットです。材料の調合をチューニングし、適度な固さ、スリップ性と、クッション性の最適なバランスを実現しています。

「当社が目指す生産性向上のため、和泉さんにはさまざまなリクエストに応えてもらっています」

 製造業にとって、生産性の向上は喫緊の課題です。特に自動車産業は、トヨタ自動車のトヨタ生産方式を筆頭に、生産性向上に向けた取り組みが進んでいることは、世間にも広く知られているところでしょう。

 DNP田村プラスチック様においても、生産管理には積極的に取り組まれています。限られた製造時間において、効率化と生産性向上を実現するために、常に切磋琢磨されています。

 どのようにしたら、より効率の良い梱包ができるのか。
 製品を守るという、梱包本来の役目を損なわずに、梱包作業の時間短縮を実現するのは、かんたんなことではありません。

 サイドバイザーの梱包については、さまざまな方法を試されてきました。
 エアセルマット製袋品について、横から入れる方法、縦から入れる方法を試しました。ひとつの製袋品の中に仕切りがあり、製品を入れるポケットがふたつある、ダブルエアセルと呼ばれる特殊なエアセルマット製袋品も試したこともありました。

 サイドバイザーそのものも、進化していきます。
 サイドバイザー本体に取り付け用の金具が付いている製品を梱包する際には、サイドバイザーを製袋品に入れてから、エアセルマットでさらに胴巻きにします。胴巻きするエアセルマットは、試行錯誤の結果、製袋品を採用し、厚みをもたせました。
 壊れやすい先端部分については、端部保護袋を用意することで、対応しています。

 梱包作業の時間短縮を図り、生産性向上に寄与するためには、エアセルマットに対し、適度な固さが求められます。適度な固さがないと、サイドバイザーを製袋品に入れる際に、引っかかってしまうからです。一般論ではありますが、厚みのあるエアセルマットは、緩衝性能が高く、固くなります。だからと言って、単純に厚いエアセルマットを採用すると、今度は作業しにくくなります。
 スリップ性能も重要です。サイドバイザーが擦れて傷つかないようにするためには、適度なスリップ性能が必要です。

 製品を入れやすく、かつ折り曲げやすい、理想の固さや、スリップ性能を実現するために、DNP田村プラスチック様の要望に応え、形状から材質までこだわって、サイドバイザー梱包のための理想のエアセルマットを創り出したのです。

ライターのひとこと

新型コロナウイルス禍の今、DNP田村プラスチック様では飛沫感染対策商品も取り扱い始めている。
新型コロナウイルス禍の今、DNP田村プラスチック様では飛沫感染対策商品も取り扱い始めている。

 和泉'sブログ、メルマガ『和泉通信』などを執筆しているライター:さかたです。
取材をしていく中で、こんなお言葉をお聞きしました。

 「梱包緩衝材も含めて、製品なんですよ」

 梱包・包装って、製品を守ることは当たり前です。また、製品を守り、破損させないことを第一義にするのであれば、現在はエアセルマットに限らず、さまざまな梱包材が世には溢れています。
 しかし、リーズナブルな価格と製品をしっかりと守る緩衝性能を両立させることは、容易ではありません。本事例では、さらに、DNP田村プラスチック様における梱包作業の効率性を考慮し、エアセルマットの加工のみならず材質にまで踏み込んで、生産性向上に貢献しています。

 製品を梱包するだけでなく、生産プロセスにまで踏み込んで、お客様に最適なエアセルマットを提案した本事例には、強い迫力を感じます。

DNP田村プラスチック株式会社様について

昭和31年5月創業。昭和38年8月設立。
自動車用サイドバイザー、オートバイのスクリーン(風防)を中心に、各種プラスチック成形製品の製造および販売を行っている。
自動車用サイドバイザーについては、高いシェアを獲得しており、国内全メーカーに納品実績あり。扱っているサイドバイザーの種類は、1,000を超える。

DNP田村プラスチック様が製造販売する製品の数々。
DNP田村プラスチック様が製造販売する製品の数々。
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