今だからこそ、『危機対策』を考えよう!【勉さんのちょっといい話】

 ようやく、緊急事態宣言が解除されましたね。

 新型コロナウイルスは、経済と、そして何よりも大切な人の命に、大きな影響を与えました。
 この場をお借りして、新型コロナウイルスによって、尊い命を失った方々にお悔やみを申し上げます。

 新型コロナウイルスは、はからずも、平時は隠れてみえてこない企業の姿を浮き彫りにしたのではないでしょうか。

 例えば、BCP対策。
 今やBCP(事業継続計画)という言葉自体は知っていても、いざ、新型コロナウイルスのような危機が訪れると、実践できなかったという企業が多いのではないでしょうか。

 

  • 自社の弱点・強みを理解していない。
  • 危機発生時(地震・火災など)行動の想像できていない。

  こんな状況では、いざ危機に襲われたら、パニック状態になってしまいますな。
 BCPのポイントは、社員のレベルUP、経営トップの決断力、安定した資金力(資金調達力)などにあります。

 これが、すべてではありませんが、意外と大切なのが、社員のレベルUPです。
 社員の資質は、今回のような危機発生時にこそ、明らかになることです。
 優秀な社員の存在は、危機発生時の助けになり、もちろん企業の成長にも大きく貢献します。

 

 少し、小生の経験をお話ししましょう。
 以前、トヨタの専務を務められていたMさんのご子息の話です。

 彼は、学卒後すぐに、現場に配属され、小生は2年間、一緒に仕事をしました。その後、色々なセクションに異動になり、知識・技能を向上させていらっしゃいます。
 彼とは、今でも毎年お会いする機会があります。現場にいたこと、異動が多かったことが、非常にいい勉強になったと、彼は振り返っています。

 確か、彼が40歳ごろのことです。
 彼は、神戸の販売店に移籍され、大きな成果を上げました。赤字会社を黒字化した彼は、毎週日曜日、全営業所をまわり、社員たちとのコミュニケーションを図りつつ、教育も行っていました。
 彼は、販売店の立地条件を熟知していましたので、阪神淡路大震災のときには、各地域が必要としているであろう物資をお客様に提供したそうです。
 結果、お客様からの信頼を得ることができ、黒字企業へと復活を遂げることができました。

 日頃から営業所巡りを欠かさず、各営業所の社員とコミュニケーションを取り、立地条件を把握していたことが、イザ、危機の時にどのように行動をとればいいのか、判断材料となったと言っていました。

 BCP対策を立案することは、決して簡単ではありません。
 しかし、その基礎として必要なことって、こういうことではないでしょうか。

 大切なことは、トップから末端の社員まで、全員が危機管理の重要性を共有できていることです。とは言え、最終的には、トップの決断力なのですが。

 皆さんは、どのように考えますか?

 

 経済危機という観点から、リーマンショックと新型コロナウイルスとの違いを考えましょう。 
 リーマンショックは、金融危機から端を発し、企業の資金繰りが回らず企業倒産、失業が相次ぎました。
 日本は、アメリカにおける不況の影響を受け、輸出ができず、一部の企業・派遣社員に影響が出ました。

 対して、新型コロナウイルスは、全世界でウイルスが流行したことによって、人と人との接触ができなくなり、消費活動が極めて限定的になりました。
 結果、「消費もなく・生産活動停止」となり、世の中全体に活気がなくなって、大不況へとつながっていく可能性があります。

 実は小生、リーマンショックの時は、ほとんど影響を受けなかったので、危機感はあまり感じませんでした。勤めていた会社は、打撃を受けましたが、私自身の給与には影響がなく、他人事でした。
 人間は、身に及ぶ悪影響がなければ、本当の危機を感じないものです。 

 

 新型コロナウイルスは、100年に一度の危機と言われています。
 誰もこんな危機を経験したことがありませんから、企業も、人も、不安でいっぱいでしょう。
 新型コロナウイルスが、不景気を招き、企業は経営が厳しくなって解雇を行い、自殺する人も増えるのではないでしょうか。とても、心配です。
 経済不安から、子供を生むことを躊躇するご夫婦も増えるのではないでしょうか。そうすると、少子化がさらに加速するかもしれません。
 その上、教育レベルの低下もあるかもしれません。

 新型コロナウイルスとの闘いは、これからが本番です。
 何が起こるのか、想像がつかない今だからこそ、ピンチをチャンスにできるかどうかが、企業の生き残りを左右するのではないでしょうか。

 国(政府)は、まず中小企業を支援すべきですね。日本は、中小企業が多いですから。中小企業が生き残ることができて、初めて国も生き残ることができるのでしょう。
 もっと、大胆な支援をするべきです、国は。

 残念なことに、政治家たちは、私どもの血税から、年収4千万円以上を得ていますから、痛みを感じないのでしょうね。
 小生がリーマンショックの時に、自分の懐が傷まなかったから、痛みを感じなかったのと同じです。

 

 動きが悪いですな。
 国を動かすトップ・官僚は、国家最大の危機だと認識して行動すべきと思います。
 緊急事態だということを、ほんとに分かっているんでしょうか...

 諸外国を見ると、大きな危機意識を持って行動をしている国もあります。台湾、ドイツなどは素晴らしいですが...、日本は大丈夫ですかね?



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