【勉さんのちょっといい話】大企業を辞めた私が、大企業に対して思うこと。

ある中小企業の人事担当者に聞いた話です。

同社では先月2月、某大学と市が合同主催する就職説明会に参加したそうです。対象は、今春卒業予定の大学4年生です。今春...、ですよ。まあ、いろいろな事情はあるんでしょうが、就職活動が思うように進んでいない子たちが対象となる、就職説明会ですな。

件の人事担当者も、何人かの学生と面談を行ったそうです。で、ある学生に質問したそうです。

「なぜ、今まで就職が決まらなかったのかな?」

 

学生は答えたそうです。

「銀行ばかりを集中して応募しましたが、すべて落とされまして...。高望みしすぎだったんでしょうね。そこで、今回は中小企業にまで志望を下げたつもりです」

思わず、人事担当者も苦笑をせざるを得なかったと話していました。

 

さて、私は現在、物流(ロジスティクス)に関するコンサルタントを生業としています。
いろんな会社の、いろんな方々と話していると、大企業に勤める人と中小企業に勤める人のの考え方に違いを強く感じることがありますが、今回はそのあたりをテーマにお話しましょう。

大企業で働くこと、中小企業で働くことの差はなんでしょうな?

収入?、福利厚生?、研修制度?、確かに大企業/中小企業では差があるでしょう。ただし、こと人間関係に関しては、大企業のほうが嫌な面が多いように感じています。

「出世をしたい」から「上司には逆らわない」。そのためには、「自分の考えを捨てて」「上司の機嫌取り」を行う。今は流石にいないかもしれませんが、私の頃は、わざわざ上司の家に行き、庭掃除をしておべっかを使うような輩もいました。

もうひとつ。大企業に勤めていると、「自分は偉い!(仕事ができる!)」と勘違いしてしまう人がでてきます。取引先である中小企業の人たちにペコペコと頭を下げられると、自分が偉くなったように思ってしまう。頭を下げているのは、大企業の看板に対してであって、大企業の従業員その人に対してではない!

大企業の部長まで勤めて、中小企業の重役に転身しても、役に立たない人も多い。
看板に仕事をさせてもらっていたことを忘れ、慢心した結果でしょうな。
人間は、弱い生き物であることをつくづくと感じさせられます。

 

私が、販売店の担当員(経営指導)をしていた頃の話です。
私の上司は、公私混同が激しかった。接待を受けるのは当然、家族を連れて食事の饗応を受けるのも日常。ゴルフ接待も度を越しており、担当の販売店はとにかく経費がかさみ...
これはよろしくないと注意した私は、逆に反感を買ってしまい、結果は皆さんが想像するとおりになったことがありました。

私の見たところ、中小企業ではこういうことは少ないと思います。かざす看板が大企業に比べたらどうしたって小さいわけだから、傲慢にもなりにくい。社員数が少ないから、成果も(良くも悪くも)正当に評価されやすい。やりがいも中小企業のほうが感じやすいんじゃなかろうか。

 

やりがいと言えば...
大企業は人がたくさんいる、組織が大きい。当たり前の話で、人がたくさんいて組織が大きいから大企業なわけなんですが、これがマイナスに働くこともあります。
30代の頃、私よりも早く出世し、出向した同期がいた。あの時は悔しかった...。しかし、先輩に言われました。

「彼はここに不要な人間だが、君は必要な人間だ。だから彼を出向させた。君はもっと勉強しなさい」

やりがいを失い、嫉妬にかられた私だが、その言葉で救われました。
同期の出世がどうとか、考えても仕方ありませんな。まずは会社にとって必要な人間になること。これが大事です。中小企業でも、大企業でも変わらんでしょう、これは。

大企業が良くて、中小企業が悪いわけではありません。良い会社、悪い会社、世の中にはいろいろな企業がありますが、それぞれがたまたま大企業だったり中小企業だったりするだけです。
ただ、世間の目は違いますな。大企業に勤めていると言えば、たしかに羨望の目で見られることもあるでしょう。

でも、他人と自分を比較して、一喜一憂するのはよろしくない。
自分を成長させる足かせになることもあれば、自分を貶める原因になってしまうこともあります。

「あそこの企業はいいなぁ~!」

馬鹿を言うんじゃない!

大切なことは、自分の今いる会社において、自分をいかに成長させて、そして会社に必要な人材となっていくことです。

大企業とか中小企業とか、看板に踊らされても良いことはありませんぞ!

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