【勉さんのちょっといい話】基礎のツボ

和泉通信第一号発行、おめでとうございます。

これまで私がウン十年にわたって、トヨタの現場にて身に付けてきた経験や知識を、この場をお借りして読者の皆さまにお伝えできるのは、光栄の至りです。

今後とも、よろしくお願いいたします。


いきなりですが、皆さまはゴルフをしますか?
私がゴルフを始めたのは、30歳の時。
スコア100を切ったのは、ゴルフを始めて半年後。調子の良い時には、70台でまわることもできましたよ。
理由は、ゴルフを始めた時からレッスンプロに学び、1年間しっかりと基礎を叩き込んでもらったからです。その後も、いつも教わった基礎を思い出しながらプレーしています。

「100の壁」という言葉があります。
なかなかスコア100を切ることができず、苦労されているアマチュアゴルファーのことですが、そういう人に限って、レッスンプロにきちんと基礎を教わることをしません。
そのくせ、「シングルゴルファーの○○先輩がいて、その人に教わっていますから」などとおっしゃるんですよね...


ゴルフを始めると、どこからともなく現れる、自称ゴルフ上手の「教え魔」ですが、私の経験上、「教え魔」に教わって、ゴルフが上達した人に会ったことがありません。
それどころか、「教え魔」に教わった人たちは、スイングはグチャグチャ、いつまで経っても100を切ることができない人ばかり。テレビやゴルフ雑誌で見聞きした知識を、さも自分で身に付けたもののように押し付けてくる「教え魔」から、いくらゴルフを教わったって、上達するのは難しいでしょうね。
人によって、体格、体力、柔軟性などは、千差万別であり、ゴルフスイングには、その人なりの適切な形があります。そういったものを考慮した上で、誰にでも共通する基礎のポイント、いわば【基礎のツボ】をしっかりと押さえ、指導することができるのが、玄人であるレッスンプロです。基礎のない素人の「教え魔」と比べると、教え方と、教わった生徒の実力に大きな差が生まれるのは当然のことです。

仕事も同じです。
私が40年勤めあげたトヨタ自動車は、昔から人材育成には投資を惜しみません。その姿勢こそが、今のトヨタの繁栄を支えていると、私は考えています。
そして、私がトヨタ在籍時にしっかりと教えていただいた仕事の基礎は、今も私の中に生き続けています。

【整理・整頓】と【P・D・C・A】。
どの職場でも見かけることの多いこのふたつこそが、私の中に生き続ける仕事における基礎中の基礎です。

職場環境において整理・整頓をおろそかにする会社は、どんな課題(問題点)においても整理・整頓ができないので、問題の大きさや重要度などに対し的確な判断を下せず、課題を解決することができないのです。
にも関わらず、整理・整頓を行うことのできない会社が存在するのは何故でしょう?

それは整理・整頓ができていないと仕事が回らない仕組みを構築できていない、または知らないからですね。

トヨタ生産方式の基礎中の基礎は、整理・整頓。
トヨタ生産方式の導入を考えるのであれば、まず整理・整頓からスタートする必要があります。


皆さんもご存知の、トヨタ生産方式でよく知られるカンバンを例に挙げましょう。
カンバンを発行した際、現物が見当たらずに探すようなことになっては、時間と歩行の「ムダ」です。これも、きちんと整理・整頓が行われていれば避けられることです。

トヨタ生産方式においては、「ムダを排除すること」が【基礎のツボ】であるからです。

言い換えれば、整理・整頓がきちんとできている会社は、トヨタ生産方式導入の【基礎のツボ】はクリアしているということになりますね。

先日、某テレビ番組で、業績がV字回復した会社のことを取り上げていました。

その会社は、業績悪化した時に、徹底的に整理・整頓を行ったそうです。
整理・整頓は、会社の売上や利益にも貢献する、とても大切な【基礎のツボ】ということですね!


※カンバンに代表されるトヨタ生産方式については、後日あらためて本コラムにて取り上げていただく予定です。
お楽しみに!

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