鮮度保持エアセル ~和泉の新たな挑戦~

 2021年、和泉は新たな挑戦を開始します。

 挑戦するのは、青果物の鮮度保持性能を備えたエアセルマットです。
 ご存知のとおり、野菜や果物などは、収穫から時間が経過するにつれて、表面が黒ずむ、果肉が崩れていくなど、品質が低下してしまいます。
 和泉が、株式会社ジーシステムと協力開発した、鮮度保持剤『e:フレッシュ』を練り込んだ鮮度保持エアセル(仮称)は、文字どおり、野菜や果物など青果物の鮮度を維持し、時間が経過してもみずみずしい状態を保ちます。

 創業170年、老舗の梨園である『勘兵衛園』園主の石井庸一さんのご協力を得て、フィールドテストを行った鮮度保持エアセルの一端をご紹介しましょう。

※画像はすべてクリックで拡大します。

一見なんの変哲もない、この品質保持エアセルが、青果物の流通を変える可能性を秘めています。
一見なんの変哲もない、この品質保持エアセルが、青果物の流通を変える可能性を秘めています。

創業170年、老舗の梨園『勘兵衛園』

真剣な目で梨を見つめる、勘兵衛園8代目園主、石井庸一さん
真剣な目で梨を見つめる、勘兵衛園8代目園主、石井庸一さん

 勘兵衛園の創業は、嘉永4年です。
 西暦に直すと1851年ですから、その歴史は170年!
 多くの梨農家が並ぶ、千葉県市川市の地において、長い歴史を積み重ねてきました。石井庸一さんは、8代目の園主となります。
 「環境とカラダに優しい農業」をモットーに、厳選した国内有機肥料にこだわり、電解水を使用した減農薬栽培にもチャレンジしているそうです。

 勘兵衛園が愛情を込めて育てる梨の木は、約500本あります。1シーズンで出荷する梨は、およそ180tにおよびます。

 石井さんは、勘兵衛園が築き上げてきた歴史にあぐらをかくことなく、新たな挑戦へも積極的に取り組んでいます。

 2014年には、選果場にカフェを併設しました。
 カフェでは、シャーベットやスムージー、フレッシュジュースや梨ピザといった、勘兵衛園で獲れた季節の果実を中心に、ドリンクから軽食まで幅広いメニューが並びます。

「『農園から食卓に』をコンセプトに、農園でしか作れない空間で、新鮮な美味しさを提供していきたいと考えています」

(勘兵衛園 石井庸一さん)

 

 オンラインストアでは、シーズン中の梨はもちろん、シャーベットやドライフルーツなど、新たな商品開発にも積極的に取り組んでいます。
 和泉からお願いした、鮮度保持性能を備えたエアセルマットのフィールドテストにも、ご協力を快諾していただきました。

「梨のプロフェッショナル」は、鮮度保持エアセルをどう診たのか?

シーズン中、一日あたりの出荷量は1.5tにもなるそうです。
シーズン中、一日あたりの出荷量は1.5tにもなるそうです。

「梨は、繊細なんです。本来は、15℃程度の定温で保管するのがベストなのですが、実際には輸送の過程でさまざまな環境にさらされてしまいます」

(石井庸一さん)


 勘兵衛園では、梨の海外輸出も手掛けてきました。だが、荷役の都合上、空港では必ず野ざらしにされる瞬間があるのだとか。

 野ざらしにされた後で、航空機に乗せられると、急激な温度変化が発生します。
 これが、梨の品質に影響を与える、ヒートショックの原因となります。

 ヒートショックとは、野菜や果物などの青果物が、急激な温度変化にさらされることで、細胞や成分が変化してしまう現象のことです。
 梨の場合は、ヒートショックによって、身が黒ずんでしまうのだとか。

 梨特有のシャキシャキとした食感を保ちつつ、表面や果肉の黒ずみ等も防ぐためには、15℃程度の定温環境を保ち、輸送されるのがベスト。しかし、時間が経てば、どうしても梨は傷んでしまいます。

 そんな繊細な梨に対して、鮮度保持エアセルは、どのような効果があったのでしょう? 

「一ヶ月経過しても、梨の品質を保ち続けた効果には、驚きました!
 さらに、糖度が上がるという効果も得られました」

 鮮度保持エアセルとともに保管された梨は、一ヶ月経過しても色も変わらず、また水気も保持されていたため、梨のシャキシャキとした食感も保たれていたと言います。
 さらに驚いたのは、梨の糖度が上がったことです。
 勘兵衛園の梨における、収穫時の糖度は品種によって異なります。勘兵衛園の豊水は、糖度通常、13~14程度ですが、一ヶ月保管した梨は、糖度が15を超えたそうです。

 石井さんは、これまでも鮮度保持のため、いくつかの方法を試してきました。ですがこれまで、水気が失われてしまうなど、石井さんが満足できるものはなかったそうです。

「シャーベット用にピューレ加工を行う業者が忙しくて、梨の加工がすぐにできないことがありました。
 『手が回らなくてゴメンナサイ!』と、加工業者は恐縮していたのですが。
 『大丈夫!うちの梨、一ヶ月は保つから』と返したんですね。

 実際、一ヶ月ほど保管してからドライフルーツに加工したのですが、加工業者も『これ、収穫から一ヶ月も経った梨なんですか!?』と驚いていました」

 石井さんは、オンラインで梨を買ってくれる人にも、鮮度保持エアセルが役立つと考えています。

「例えば、梨を10個買うと、普通の家庭では、食べきるまでに1週間以上かかることだってあるはずです。そうなると、買ったばかりの梨と、1週間経過した梨では、食感も落ちてしまいます。
 ですが、鮮度保持エアセルで梱包された梨であれば、1週間経過しても、梨のシャキシャキとした食感を楽しむことができます」

 

 さらに石井さんは、近年の異常気象がもたらす、青果物への影響に対しても、鮮度保持エアセルが大きな貢献を果たすと考えています。

「台風が来ると、実が熟す前、つまり本来の収穫時期を迎える前に、梨を収穫せざるを得なくなります。
 しかし、鮮度保持エアセルを使えば、収穫してしまった未成熟な梨も、鮮度を保ったままゆっくりと糖度を上げていくことが可能となります。
 自然相手に仕事をしている農家にとって、これは大きな福音です」

農家の方々が、丹精をこめて育てた野菜や果物をベストな状態で消費者の皆さまへ届けるために、品質保持エアセルは大きな貢献を果たすことでしょう。
農家の方々が、丹精をこめて育てた野菜や果物をベストな状態で消費者の皆さまへ届けるために、品質保持エアセルは大きな貢献を果たすことでしょう。

e:フレッシュの仕組み

株式会社ジーシステム 代表取締役社長 徳野雅昭氏
株式会社ジーシステム 代表取締役社長 徳野雅昭氏

 鮮度保持剤『e:フレッシュ』を練り込んだ鮮度保持エアセル(仮称)は、徳野雅昭氏が代表取締役社長を務める株式会社ジーシステムとの共同開発商品です。

 鮮度保持エアセルが、野菜や果物など青果物の鮮度を維持する原理について、解説しましょう。

 エチレンガスは、野菜や果物が分泌する植物ホルモンのひとつであり、一般的に青果物の熟成を促進する効果があります。しかし、エチレンガスによって熟成が進みすぎると、青果物は劣化し、最終的には腐ってしまうわけです。

 『e:フレッシュ』は、青果物が分泌するエチレンガスを、水と二酸化炭素に分解する触媒の役割を果たします。そのため果肉をゆっくりとエイジングし、果肉内の水分蒸発や細胞の損傷を防ぎながら、糖度をあげる効果を発揮します。

 株式会社和泉は、品質保持性能を備えたエアセルマットに、大きな期待を掛けています。
 青果物の流通に大きな貢献を果たす可能性のある本製品については、近日中に正式に商品名を発表、発売を開始する予定です。

 和泉’sブログでは、本製品に関する情報を随時公開していきます。
 続報をお待ちください。

※なお、本取材は、2020年9月に実施しました。

フォトギャラリー

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勘兵衛園について



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