【2023年 年頭挨拶】株式会社和泉 代表取締役社長 伊藤嘉浩

 激動の一年がスタートしました。
 本年もよろしくお願いいたします。

 数年続く半導体不足および新型コロナウィルスによる世界的な生産混乱に加え、ロシアによるウクライナ進行による各種部品不足により、昨年はますます混乱に拍車がかかりました。さらには、エネルギー不足や農作物不足により様々な原材料や電気等の高騰が起こり、まさに大混乱の一年でした。

 そのような混沌とした社会の中、未来に対するビジョンが示され各企業が様々な知恵を絞り活動をされているのを目の当たりにし、少し懸念を感じます。

 海洋投棄ごみから起因するマイクロプラスティック問題、温室効果ガス問題から起因するカーボンオフセット問題等の解決策として、自動車等のEV化やプラスティック削減への取り組み等が声高に叫ばれ、社会ムーブメントになっています。

 本当に今の一辺倒的な動きで良いか。
 問題の本質を本当に理解した動きになっているか。
 理想主義的な狭義の視野になっていないか。

 そのような混沌とした思いの中、豊田章男氏の言葉に感銘を受けました。

 「選択肢を増やす」

 物事の解決は、「0か、100か」ではなく、様々な選択肢の中から各々の最善となる選択をする中で時間が掛かるけれども解決に結びつけるべきという考えが芽生えました。

 問題の本質は、人間の利己的な行動であり、狭義の視野の思考だと思います。

 エネルギー問題の解決無しに、本当の意味での解決にはなりません。
 現状でさえ、真夏や真冬に電力不足が言われている現状で、すべてのものがEV化されて良いのでしょうか。自然に左右される自然エネルギーで本当に大丈夫なのでしょうか。原子力再稼働をさせるのでしょうか。

 やはり選択肢を増やすことだと思います。自然エネルギー・原子力・火力・水素等の新しいエネルギー、様々な選択の中バランスを取りながら選択し、持続的な世界を作っていくことが必要と思います。

 同じことが、今ムーブメントになっているSDGsに向けた取り組みも同じだと思います。「0か、100か」ではないのです。何が良くて、何が悪い、のでは本当の意味での解決にはなりません。

 今この瞬間では悪いと言われているものは、過去には良いと言われ使われ続けてきました。また、未来の社会でも悪いままでしょうか。

 弊社の携わるプラスティックに関しても、便利・扱いやすい・安価等の利で重宝され、また過去には地球環境に良いとされて、生活の隅々にまで使われるようになっています。

 本当に悪いのでしょうか。

 海洋投棄する人間が悪いのではないでしょうか。

 プラスティックを作るためだけに原油を採掘するのではなく、燃料を取るため採掘し、燃料精製過程で取れるガスを有効利用していることをご存知なのでしょうか。

  やはりここでも選択肢を増やすことだと考えます。「0か、100か」ではないはずです。

 プラスティック・紙・未来の素材、それぞれの利点を考え利用用途に即した素材を選択し、必要最小限の利用を考え使っていく社会こそが、持続可能な社会実現に繋がると考えます。

 

 弊社は引き続き、表層部分やミクロの焦点だけを捉えた単なる流行にのり商業主義のコマーシャル活動や行動ではなく、再度この活動の問題の本質を考え、マクロ的な視点で地球環境に思いをはせ、今後本当に必要なSDGsとは何か、企業として取り組むべき活動をしてまいります。

 昨年に引き続き大混乱の一年になるかと思いますが、今後の未来の行き先を見極め、お客様とともに一歩踏み出す年にしていく所存です。

 一年間、何卒よろしくお願いいたします。

 

株式会社和泉
代表取締役 伊藤 嘉浩



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